■ 記事は、下に行く程、新しいです 


■屋根工事


■平成16年6月26日■ 

上棟の翌日は、雨でした。
雨の合間を抜けて、屋根工事開始!

屋根は、太陽熱を収熱する役割が有ります。
空気層を造り、そこに空気を流し、太陽熱で暖めます。
この熱を利用し、冬は床暖房、夏は、貯湯槽にお湯を沸かします。

太陽熱を効率良く吸収するため、屋根材は、黒色のガルバニウム鋼鈑を使います。
その為、屋根の断熱は重要です。

一旦、合板を屋根に打ちつけ、その後、垂木を打ちます。
(一般と逆だ!)
垂木の間に、ロックウールを詰め込み、その上に更に合板を打ちつけます。
(つまり、ロックウールのサンドイッチだ!)

室内側から、屋根を見上げると、こうなる訳ね・・・。
普通は、垂木が見えるけど、この建物の場合は、上記の理由により、見えないのです。

作業中、近景!               

 

屋根で得た熱を帯びた空気は、床下へ送風機で送られます。
室内環境維持のため、ホルムアルデヒド(ホルマリン)を発散する建材は使用禁止です。
全て、このF☆☆☆☆(フォースター)規格で造ります。

屋根に敷くルーフィング材も、無害な材料を使います。
(一般的には、アスファルト系です)
デュポン社製、タイベック・ルーフライナーを使用します。


■平成16年6月29日■ 

本日は、矢印の箇所の屋根を工事中。あわせて、ベランダの床張りが行われている・・・。
と、ところが、この矢印部分の屋根の取り付け高さが、8cm程度低い事が判明。
この寸法は、窓の高さと関連が有るため、誤差は許されない部分。

今回の木軸組は、初めてプレカットで行ったが、やはり、大工さんやプレカット担当者と打ち合わせをしていても、末端の加工工場まで伝わらなかったのが原因だろう。
監理者として、プレカットの図面をチェックしたかったが、提出が無かったし、打ち合わせ済みの箇所でも有るので、お任せしたのがいけなかった。

この手直しは、垂木の上に、さらに垂木を重ね、屋根全体の高さ不足分を笠上げする事とした。
本来は、全部作りなおし!であろうが、それは気の毒だったので、このような方法で妥協した。しかし、この妥協の影響も無くはない。


■平成16年7月1日■ 

う〜む、上の写真と比べて、日数が経過し、確かに工事は進んでいるが、大工さんの車の位置が同じですねぇ〜。
なんか、おもしろい(^^;)

余談は、そのくらいで、屋根は直して頂きました。
この写真では、分かりませんが、次の写真↓を見て下さい。

つまり、二重の垂木で屋根を上に上げた、とはこの事です。

ううう〜っ!
結局、野地板が3枚重なってる!

 

この大きな箱は、屋根で収熱した空気を取り込む為のダクトが入っています。
収熱屋根工事は、これからが本番・・・。

今日は、現場でサッシ屋さんと打ち合わせ。
狭い寸法の場所に、サッシが入るので、綿密な打ち合わせが必要なのです。


■平成16年7月2日■ 

だいぶ屋根の形が整って来ました。
右側の白い屋根部分が、収熱屋根。左側の緑色っぽく見える部分が、一般屋根です。

屋根で得た熱を収集するチャンバーボックス。
左側が夏の排気用チャンバー。
右側が冬期の暖気を吸入する吸気チャンバー。
これとは別に、メインチャンバーボックスが7個有ります。
これらは、屋根の北側棟位置に取り付けます。

以下つづく・・・・。


■平成16年7月5日■ 

いよいよ、収熱屋根の工事に突入!
野地板に、前述のタイベック・ルーフライナーを敷いた上に、更に垂木を打ちつける。
(つまり、化粧垂木と野垂木みたいな感じ)

この野垂木の上にガルバニウム鋼鈑を葺く。
軒先から取り入れた空気は、この空洞になった部分を流れ、最上部の棟からメインチャンバーに集められ、吸入ダクトから、小屋裏の機械室へ入り、立ち下がりダクトを経由して、床下に送られる訳だ!

収熱屋根、北側の棟に取り付けられた、メインチャンバーの様子。
中央の黒く見えるチャンバーは、排気口に接続する為のチャンバー。
夏は、直接外気に熱を放出します。
(このときの熱エネルギーは、お湯を沸かす為に利用します)


■平成16年7月6日■ 

屋根材(ガルバニウム鋼鈑)を葺き始めました。
この季節、板金屋さんは、屋根の上で正に滝のような汗でした。


■平成16年7月7日■ 

半分くらい、葺き終わりました。平葺きと言う葺き方です。
収熱屋根は、最後に施工します。
収熱屋根は、二重の瓦棒葺きで、棟側には収熱効果を上げるため、耐熱ガラス(セミテンパライト ガラスを使用します)

隣地側(北側)から見た様子。
ちなみに、この北側は、園芸屋さん。我が家でも利用させてい頂いています。


■平成16年7月9日■ 

居間上部の一般屋根、葺き終わりました。
次は、テラス上の小屋根、収熱屋根へと続く・・のかな?


■平成16年7月12日■ 

収熱屋根(右側)と一般屋根。
収熱屋根は、瓦棒葺きで、これから葺き始める・・・。


■平成16年7月14日■ 

収熱屋根葺き開始。         

こんな感じ・・・・・・1。     


■平成16年7月15日■ 

こんな感じ・・・・・・2。     


■平成16年7月20日■ 

本日、7月の観測史上初、気温39度を記録!
あつい!

しかし、大工さんは頑張ってます。
屋根の軒裏を薄く仕上げる為に、母屋を削っています。
矢印先端は、削った材木の破片!     


■平成16年7月24日■ 

収熱屋根の軒先端部分。             
この金属屋根の下は空洞になっていて、空気が熱せられて、棟へ向けて登って行く。
この空洞部分は気密しなければならないが、この施工状況では、気密が甘い。
収熱屋根の葺き直しを指示する・・・・・。


■平成16年8月6日■ 

収熱屋根の葺き直し中・・・。
板金屋さんには、本当に申し訳無いと思いますが、監理者としての責務を果たさなければなりません。
これが、私の仕事なんです。

収熱屋根の軒先端部分。             
シール材も十分に充填し、機密性も確保されたと思います。
上から押さえているコの字形の金属板(かっぱ)も深く折り込まれています。
(ちょっと、施工が雑のようにも見えますが・・・・)

同じく、収熱屋根の軒先端部分軒裏側。             ステンレスメッシュが見えます。ここから空気を導入します。
きちんと、メッシュ際に集熱部の結露時の水切りも設置しました。

建物北側から見る集熱屋根と、メインチャンバー。


■平成16年10月7日■ 

収熱屋根に、やっとガラスが付きました。
今年は、暑かったので、涼しくなってから取り付けたのです。
このガラスは、耐熱強化ガラスです。
このガラスで、収熱効率をアップします。
棟部分の鉄板巻きが、まだ未完成です。

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