レーザーコリメーターの自作
(反射望遠鏡の光軸調整)


光軸調整は、経験的にドロチューブを覗き込んで行って来ましたが、レーザーでもう少し正確に合わせて見たくなりました。
ところが、レーザーコリメーターって、案外高額なんですね〜。

オークションでも、1万円以上出さないと、落札できないようです。
じゃ、レーザーポインターと言う、事務用品を流用して自作しようと思い立ったのです。

*    *    *

ところが、レーザーポインターも、普通に購入しようとすると、3〜4千円します。
いろいろ探すと、(株) 秋月電子通商と言うパーツ屋さんで、
赤色半導体レーザー発光モジュール(円筒型)と言うモノを、なんと¥500円で発見!

総額、堂々!¥500円!
これで、作ります(^-^)

*    *    *

・・・と言う訳で、本日、レーザー発光モジュールを発注!
モノはまだ来ていないのですが、製作に取りかかりました。

(2005/11/29) 

コリメーターの本体は、ファックス用紙の心棒(紙筒)を流用。
丁度、望遠鏡の接眼部のリング等と大きさがマッチングしました。
内径は、25mmです。
この筒にレーザーモジュールを組み込みます。
ここから、レーザーを照射し、元に戻ってくれば一応、OKと言う事です。
その戻って来たレーザー光を確認する穴を、この紙筒に開けます。
(四角く下書きをしてみました)
本当は、丸穴の方がカッコ良いのですが、丸は難しいので、四角にします。

 

カッターで、ごしごしと切り取ります。
断面が、がさがさになってしまい、ごまかす為にマジックで黒く塗ったら、
紙筒なもんで、にじんでしまいました。
ぼろ隠しに、ビニールテープを貼って、さらにごまかしました。(^^;)

 

戻って来たレーザー光を受けとめる、標的(ターゲット)部分を作ります。
紙筒内径が25mmですから、直径25mmの円を書きます。
これをそのまま紙筒に入れても良いのですが、紙筒内で45度傾けて付ける事にします。
この方が、戻ったレーザー光が確認しやすいからです。
45度傾けるので、円は、横方向に1.4142倍引き延ばし、楕円とします。
CADで書いているので、らくちんです。

 

で、プリントアウトします。
ちょっと、厚めの紙に印刷しました。

 

適当に糊代部分を残す感じで、切り抜きます。
(子供のハサミを借りたのですが、切れ味が悪い!)
「なると」の様です。

 

出来上がった「なると」を紙筒内にセット。
中心部に、レーザー光が通る穴を忘れずに!

 

 

「なると」を上から見るとこんな感じ。

 

紙筒とリングを組み合わせます。

 

望遠鏡に取り付けてみる。

 

望遠鏡の先端から覗き込み。主鏡に写った斜鏡を見ます。
斜鏡には、紙筒と「なると」が写っています。
紙筒を回してみて、「なると」の中心の穴が本当にドロチューブの中央になっているか確認します。
中心になっていれ、穴は動かないはずですね。

 

一応、できました。
あとは、赤色半導体レーザー発光モジュールが到着する迄、ちょっとお休みです。

 


 

(2005/12/1)

来ました〜!レーザー発光モジュールが来ました!
むふふ、¥500円と言うのが嬉しい(^-^)
しかし、送料、代引手数料等で、それ以上の金額が掛かった事は、秘密です(ToT)

 

紙筒は太いので、この小さいレーザーモジュールを取り付けるのに工夫をしました。
浴室のシャワーホース取り付けのネジが余っていたので、これで径を絞ります。
ネジとモジュールの間に、若干の隙間が残るので、マジックテープのフワフワした方を切って入れます。
(このフワフワが曲者、後で反省します)

 

こんな感じになりました。
なかなか、ソレらしい…。

 

紙筒にこのネジを入れますが、直径が多少違うので、ビニールテープを捲いて調整しました。

 

取り付け前にレーザーを照射してテストしました。
ん?
ところが、レーザー光は「点」では無く、短い直線状です。
紙筒内のターゲットの穴を通る時、点になってしまうので、問題ないのですが、
ターゲットが紙製なので、この直線がターゲット上に透けて見えてしまい、
主鏡から反射して戻って来るレーザー光が、見え難くなってしまいます。

 

そこで、ビニールテープでこの様な裏当てを造りました。
ターゲットの裏側に貼って、透過する余分なレーザー光をカットします。

 

こんな感じになりました。
レーザーの電源は、DC3.0Vです。電池を二本直列に繋ぎます。
スイッチと電源部分は、次回の課題とし、今回は直付けしてしまいます。

 

望遠鏡に付けてみる。
一緒に写って居るワンコは、気にしないで下さい(^^:)

 

電源を繋いでみる…。
電池ボックスは、(得意の)ビニールテープで、本体に固定。
(作者のいい加減さが表れていますね〜)

最初に確認する事は、レーザー光が、ドロチューブの中心を正しく通っているか?です。
紙筒を回して、主鏡に照射されたレーザー光が動かない様に、発光モジュールの向きを微調整します。
回しても、レーザー光が、1点を照射し続ける位置でないとダメです。

次ぎに、レーザー光が主鏡の中心に当たるように、斜鏡を調整します。
主鏡には、予め中心部にマークキングしておきます。
私は、マジックインキで、中心に点を打ってあります。
次ぎに、主鏡を調整し、ターゲットの中心にレーザー光が戻る様に調整します。
写真では、主鏡の光軸がズレています。
ターゲットの円は2.5mm間隔ですから、5mmズレていた事になります。
目視での合わせに、自信が有ったのですが…。

 

主鏡の光軸調整中。
私の望遠鏡は、3点の、押しネジ引きネジで調整、固定します。

 

で、ぴったりと光軸が一致!
斜鏡と主鏡の調整は、あっと言う間に出来ます。超簡単。
難しいのは、レーザー光を正確にドロチューブ中心部に照射する事です。
発光部がフワフワテープで固定したので、安定しません!

これに一番時間を使ってしまいました。

紙工作なレーザーコリメーターなので、次回の光軸調整時には、
また、レーザー発光部の微調整が必要になります。
これでは大変なので、望遠鏡に取り付けたら、正確にレーザーが照射出来るように、
しっかりしたコリメーターを作りたいです。
(反省!)

ここで、反省点の改善を試みました。)

結局、さらにバージョンアップしたコリメーター2号を、作る事になりそうです…。

PS:調整完了後、改めて、ドロチューブから目視で斜鏡を覗いてみると、
ドロチューブの中心に斜鏡が見えないのです。主鏡側に少し寄った方に斜鏡が見えます。
理屈では、ドロチューブの中心に見えなくてはいけないのです。

短焦点な望遠鏡なので、光軸を正確に合わせると、このような現象が現れるのでしょう。
わざと、ズラすと、むかし?聞いた事が有りますが、この事かも知れません。
(私は、今迄、完全に中心になるように調整していました)
この件については、コリメーター2号製作と同時に調べてみよう!

で、見え方に変化は有ったか?
…有りました。
シーイングの影響も有るのですが、惑星を高倍率で眼視した印象は、
輪郭がしっかり見える事がすぐ分りました。(気のせい?)
デジカメによる撮影では、目立った変化は無し(;o;)

まぁ、今どき130万画素だもなぁ〜〜〜。

一応、紙製コリメーター1号機完成という事で、


 
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